働くこと

事業推進部の濵上です。今回のブログを担当致します。

生活のために働くとか、お金のために働くとかよく聞きます。十分なお金があって、生活に困らないので働かない人もいるのかもしれません。(わたしの周りにはあまりいませんが…)

自己啓発系のセミナーでさかんに言われるのは、夢の実現のために働くというアプローチです。職場自体が夢の実現のためのプロセスまたは、そのものであれば一番いいのでしょうね。でもそんな環境や心境に身を置ける人なんて、一握りだと思います。食べていくため、趣味のため、家族のため…いろんな為のためほとんどは、さしてやりたくない仕事をそれでも一生懸命続けているわけです。なぜなら、私たちは、共同体の中に所属しその中で自分というものを実感してはじめて安心できるからです。独り身だろうが、結婚してようが、子どもがいようがいまいが、親、兄弟と同居だろうが多くの人は、社会の中でなんらかの組織に属し自分の存在を再確認して安心するのです。

先日まで毎週BSで『男はつらいよ』を観ていました。その主人公の車寅次郎、寅さん。物語の中でもよく「寅さんは、いいなぁ。自由で…」とか言われてますが、自由ったって本当に遊んでは、暮らしていけない。稼ぎは、そんなに良くないかもしれないけど、テキ屋という商売をして全国渡り歩いている。その中で知り合う人々、テキ屋仲間との交流。その組織の中で自分を確認してるからやっぱり生きていけるわけです。そして出会った女性と懲りもせずに惚れては、振られ(厳密に言うと、途中で自分から逃げちゃうことも度々)を繰り返す。でも、その人々との触れ合いが面白いし、熱い人情を感じるんだなぁ。

最近、引きこもりが社会問題らしいです。全国で約100万人が引きこもりなんだそうです。100万人って簡単に言いますが、鹿児島市内全人口より遥かに多いですし鹿児島県全人口と比較しても6割強です。愕然とします。引きこもりの原因一位は、流石に病気で3割強を占めていますが、二位は、気力が無いとかすぐ働かなくても困らないとか。さらに一位と同じくらいの割合でその他があるんです。つまり、理由は、さまざまなんですね。働くことは、人とのコミュニケーションもしくは、他者との関わりで成立するものです。カタチはどうあれ、他者との関わりなしに働くことはできない筈です。全国約100万人の引きこもりの方々が社会と関わるきっかけを見つけて働くことを楽しみと言わずまでも生活の糧の一つとして取り組んでもらえたとしたら、いま日本の抱えるいくつかの問題が解決の方向に向かうのではないかと思います。

働くことは、人との触れ合い。働くことは、生きること。そんなことを今さらながら思うこの頃です。